2024年パリオリンピックで、日本のアーティスティックスイミング代表チーム、「マーメイドジャパン」が見事な抗議によって順位を繰り上げるという珍事が起こりました。
大幅なルール変更と演技構成の事前申告
今大会では大幅なルール変更が行われ、アーティスティックスイミングのチームは事前に演技構成を申告しなければならなくなりました。この申告に基づいて審判が判定を行い、申告どおりに技を成功させないと大幅な減点が課せられるという新制度です。
日本代表の演技と減点
日本代表チームは2分以上にわたる演技の終盤で約20秒間の息継ぎなしの脚技を連続して披露しました。しかし、最後の脚技が「既定の角度を超える範囲まで動いた」として大幅な減点がされ、テクニカルルーティン終了時点で日本は6位という不本意な順位に。
抗議による順位の変更
しかし、日本の中島ヘッドコーチがこの判定に納得できず、規定に基づいて審判団に抗議しました。抗議には500スイスフラン(約8万5000円)が必要で、これが認められれば返金される仕組みです。審判団は中島コーチの抗議を認め、日本の順位は6位から3位に変更されました。
採点見直しのシステム
この抗議システムはアーティスティックスイミングだけでなく、他の競技にも導入されています。例えば、体操競技でも同様に採点の見直しには一定の費用がかかります。今回のパリオリンピックでは、男子個人総合の岡慎之助選手のつり輪の際に日本側が採点の見直しを求め、その結果が覆り採点が見直されました。
無料での見直しが難しい理由
スポーツライターの小林信也さんは、抗議のシステムが無料でない理由について、「根拠なき申し出を防ぐ目的があり、抗議が連発されると競技の進行に支障をきたすため」と説明しています。この制度は確かに抑止力として機能しますが、一方で資金力のあるチームに有利となる可能性もあり、公平性の観点から議論が続いています。
まとめ
今回のパリオリンピックでは、日本のアーティスティックスイミング代表チームが抗議により順位を繰り上げるという珍しい事例が話題となりました。このような抗議システムがどのように進化し、どのように公平性を保つかは今後の課題となるでしょう。
https://item.rakuten.co.jp/book/6585245/